TRIO R-1000:確認と調整

入手したR-1000の状態は非常に良く調整の必要は無さそうでしたが、サービスマニュアルを見ながら確認をしてみました。ネット検索して分かったのですが、思いのほかメンテナンスや修理の情報が少ないですね。

確認と調整の結果、動作に問題は無い事は分かったのですがSSBのBFOで気になる点がありました。

サービスマニュアルではRXユニットのTP6で観測し USB:456.6kHz(TC1)、LSB:453.4kHz(TC2)に調整とあります。差は3.2kHzなので約3kHzということでOKですね。但しこの状態でSSB交信を受信するとUSBで+1kHz、LSBで-2kHz程度無線機での周波数とずれて表示されるのです。周波数に関係する他の調整箇所(注1)を再確認&調整したのですが、SSBでの周波数表示差に変化はありませんでした。そこで10.000MHzの標準電波信号を利用してゼロビートに調整する方法で調整してみました。その結果USB/LSBともに無線機との表示差約1kHzまで寄せられました何かおかしい。

この場合のTP6の周波数は下記です。USB-LSBの差が1.4kHzしかありませんね。実際に交信を受信してみると反対側波側に漏れも聞こえます。後で分かりましたが調整自体はやはりサービスマニュアルが正解です。

USB:456.150kHz(-450Hz)

LSB:454.350kHz(+950Hz)

( )内はサービスマニュアルとの差

 

この機器の周波数表示は無線機のFT-901(初期モデル)のUSB/LSB周波数CAL調整が無い状態なのですね。まさにここに説明がありました。分かってしまえばなんてことはないのですがしばらく悩んでしまいました。ということでサービスマニュアルどおりに再調整して完了としました。

 

注1:項目1(基準電圧)、項目2-1(BFO)、項目2-3(VCO電圧)、項目2-4(時計基準発振周波数)、項目3-1(PLL基準周波数)