TS-660:修理③ とりあえず完了か。

TS-660の修理の続きです。

ところで、TS-660調整し易いですね。構造が良く考えられていて、上側が2段構成になっていてIF-UNITの下にControl-UNITがあるのですが、IF-UNITを跳ね上げたまま調整することができます。この構造は後継機種でも暫く引き継がれているようです。

f:id:JR7XRF:20200411105232j:plain

 

⑦SSBでパワーが出にくい(MIC-GAIN最大でALCがやっと振れる)

 各セクションの調整である程度改善できました。それでもMIC-GAINボリュームが高めの位置になる為、SW-UNITにあるマイクアンプのゲイン低下を疑いました。トランジスタを3つ使用した回路になっていますが、2つ目のトランジスタについて、規格内だけどhfeだけ少し低めだったので、手持ちの2SC1815GRに交換しておきました。(同一ロットなので劣化と判断。但し回路上、hfeが効いてくる事は無いはずだが。。) エミッタバイパスコンデンサの容量低下も気になったので確認しましたが、容量の低下はありませんでした。(ということは原因は別なところにある可能性 → 原因はなんと⑧の受信回路用スイッチングダイオードだった模様。後から記載したが⑧の原因が送信にも影響している様で、⑧修理でかなり改善した感触。但し24MHz、50MHzで感度が少し低い。)

 

・現状で残っている現象

<A>

 電源投入直後は全バンドでALCが元気よく振れますが、温まってくると6mの中間あたりの周波数ででALCの針がゆっくり動く様になります。しかも51.2~54MHzあたりでALCスケールmaxまで届かなくなる。(出力自体は10~11W程度は出ています)トランジスタアルミ電解コンデンサの劣化あたりでTX回路ゲインが落ち気味なのかもしれません。(後で原因が⑧と判明する)

 また、電源投入直後は14W程度でますが、温まると11~12Wに落ちて落ちつく様です。実使用上は問題ないのでこのまま暫く使ってみるつもりです。

 

<B>

 十分に温まったころに、周波数表示が一瞬ブラックアウトし同時に受信音が途切れる。PLL関係かと思われるが、再現性が悪いこともあり様子見。IF-UNITで生成される5Vデバイスもしくはコネクタの可能性あり。コネクタをグリグリして様子見。

 

 ⑧24MHzだけ感度が低い

RF-UNITのHF用アンテナコイル部スイッチングダイオードのショートが原因でした。他のバンドと比較するとSメーターの振れが弱く、少し感度が悪いなあと感じてはいたのですが、思いたってTS-820のマーカーを使用して確認したところやはり24MHzだけかなり感度が悪いことが判明。

原因は21MHz用の受信用コイルへの切替え用スイッチングダイオードのショート故障でした。断線モードでの故障なら分かりやすいのですが、ショートの場合は何とか動作するのですが常に21MHzの回路に信号が入力されてしまい、本来のバンドへ行くはずの信号が分散して感度が落ちていました。

f:id:JR7XRF:20200412214134j:plain

f:id:JR7XRF:20200412220735j:plain

 

ということは50MHzや28MHzでも感度が落ちていたのは?という疑問が。確かめたところ影響は24MHzと比較すると少ないが、やはり影響していました。しかも、送信用信号も常にこの回路へ分散されてしまっていたようで、「現状で残っている現象<A>」で書いたALC問題も解決しました。

 

ということで、とりあえず修理完了です。

AMフィルタをなんとかしたいなあ。