TS-660:修理①

TS-660の修理がほぼ完了しました。取説とサービスマニュアルがネットで手に入れられますのであまり心配はしていませんでしたが、少々ハマったところがあったので記事にしておきます。経年劣化もありいたるところで調整ずれがありましたが、最終的には感度的には今のリグと遜色ない状態に追い込めましたし、ハイバンドでのパワー低下も改善して全バンド均一のパワーに調整できました。但し、少しコツが必要な調整個所がありました。

 

①21MHzで送信できない

トランジスタが壊れていました。この為、フィルタユニットの切り替え信号が出なくて切り替わらなかったのが原因でした。交換後は良化しました。このトランジスタは小型タイプですが電流を多めに流せる物が必要です。青い線のあるコネクタあたり。

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②パワーが急に20W出ることがある。

フィルタユニットのVR不良の可能性が大きいです。つつくと正常に調整できるようになります。(手を離したり、セットを裏返しから元にもどすと20Wになったり不安定)接触不良でmaxパワーになってしまうイメージです。ただ、他の箇所の調整で落ち着いた可能性もあるので、しばらく様子をみることにしました。

 

ALCがあまり振れない、全く振れないバンドがある。また、6mバンドの高い周波数で出力パワーが落ちる。

これはなかなかの曲者でした。6mのしかも高い周波数で発生していたので、ファイナルもしくはIF、RF段のトランジスタの劣化を疑っていたのです。確認だけで済ませていたスプリアス調整を行ってみたところ、パワー復活・ALCもほぼ正常な動作になりました。ここは調整VRでスプリアスをminしてしまうと必要な出力まででなくなるので程度が大事。

⇒⑧に対する修理で完全に復活。(スプリアス調整と加えて、温まると6mの高い周波数で発生するALCが振れにくくなる現象は⑧の修理で直った)

 

修理②へ続く