2022年2回目のTS-940メンテ

前回のメンテから少し間があきました。少し期間をあけるとやる気が戻ってくるのでよねぇ。今回の主目的は、電源ONから暫くすると徐々に感度が落ちてくる(Sメータの振れが少し小さくなる)原因の把握です。いくつかある送受共通のミキサーへ注入するキャリアの振幅、もしくはミキサー関係のデバイス経年変化による劣化を予想。(モードとバンドによるが送信パワーも温度上昇と共に低下するので送受で同一原因も想定。バンドによる差は別途検証する必要があると思っている)

以下オシロスコープで確認した結果をまとめた。

 

・RFユニットのVCO3(RX用)

 Q6とQ9間にTP(テストポイント)がありここで観測(1st MIX周辺)。温度による振幅の変化なし。

・IFユニットのHET(36.22MHz)

 PLLユニットで作られるHETをIFユニットで観測。Q4Q5入力にTPがありここで観測(2nd MIX)。温度による振幅の変化なし。MIX後(8.83MHz)のポイントはオシロで観測できなかったので一旦パス。

・IFユニットのCAR2(9.285MHz)

 CARユニットで作られるCAR2とQ7Q8でのMIX後の波形をIFユニットで観測。①IFユニット入力コネクタ観測では温度上昇による振幅減少を少し観測。②Q7Q8通過後のVR1(プローブをあたり易かった)観測も温度上昇による振幅減を少し観測。③MIX後のQ10(IF-AMP)後のD26で観測したところ温度上昇でかなり減少する。

これが影響するとすると、CAR2自体(CARユニット内)の温度変化による影響と、IFユニット内での影響の両方の可能性があると考察した。

★更にIFユニットの②③周辺をドライヤーで温めるとはっきりとSが下がることから、IFユニットのQ7Q8もしくはQ10の経年劣化の可能性が高いと考察。もしくは、CARユニットのCAR2(9.285MHz)の振幅減少による原因の可能性(但しこちらはサービスマニュアルの規定振幅に対して不足なし)もあると考えます。

 

 

①での電源ON直後

①電源ONから時間経過後・・・振幅減少、但し規定振幅は足りている模様

 

②での電源ON直後・・・本来455kHzのはずだが9.2MHZあたりに観測される。。

②電源ONから時間経過後

 

③での電源ON直後・・・455kHzに観測(ガタガタなところは9.285MHzがのっている)

③電源ONから時間経過後・・・かなり減少

 

送信側ではバンドとモードによる差があるので、このあたりは各キャリア影響なのかモード固有の問題なのかは別途検証の必要あり。CWは温まってもパワー変化はないがALC範囲を大きく超えて振れるわけではないので不足気味の可能性もあり。AM/FMでは温まるとパワーまで減少、ALCの振れも少ない。

➡と一旦書きましたが、FMに関しては本体が十分に温まった後でIF-UNITのVR9でALCとパワー共に改善しました。AMはそもそも仕様上入力140Wであること、送信時キャリアで50Wに設定し更にALCを音声ピークで少しだけ振れる程度で使用する為、全体として問題ないと判断しました。SSBに関してもALCは盛大に振れるのでOKとしました。

課題は受信時のSメータ振れの低下のみとしますが、感度自体は問題ないレベルなので様子見とします。

 

補足:今回は上記に加えて以前からの同軸接触不良対策として、縛られていた同軸&線材の一部をタイラップを外して様子をみている。

補足:アマチュアの考察ですので、参考にされる方は自己責任でお願いします。