2022年初のTS-940メンテ②

前回記事に続いて。もっと前のブログはこれ

不定期に発生するチャピリ現象がどうしても気になるので、再度PLL-UNITの調整にチャレンジ。VCO0とあたりを付けましたがサービスマニュアルには該当箇所の「VCO0:36.22MHz(固定)」調整方法は載っていません。(但しテストポイントTP6は図に記載)

回路図に記載の電圧に調整すれば完了するはずということでしょうか。回路図の電圧からは大幅にずれていたのでコイルを調整。しばらく様子見しようと思いますが、大幅に変動する様なチャピリはなくなったが、CWでマーカーを聞くと微妙な震えは発生している状態。更に追加処置が必要な状態。⇒追記部に記載

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この調整をしている最中に、ローバンドでロック外れが発生していまいました。以前に試した方法(TP5がローバンドで大きくなるように各部調整)で調整を試みますが今回は回復せず。。結局、RF-UNITのサービスブリテンを施したところ改善。電源投入直後からAM放送帯域までロックするようになりました。TP5をオシロスコープで観測すると明らかに振幅が大きくなっています。もっと前からやっておけばよかった。。。

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改善後。ローバンド約1.5倍に改善

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ハイバンド

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ーーー追記ーーーーーーー

微妙に震えている現象については、主要箇所のアルミ電解コンデンサ交換して若干改善した様子だが完全ではない。(手持ちの関係で全数交換しなかったが、本来あのUNITは全て交換した方がいいでしょう。)一日中電源入れたままにしていましたが初日は目立った現象はなし。但し、CW連続送信をIC-7610のスコープで確認すると数秒に一度程度にわずかに震えている。SSBでは全く気にならないレベルですが、CWだと相手に分かるレベルだと思います。メンテ③の記事が必要だろうなあ。

取り外したアルミ電解は簡易測定で容量が10%程度増加しています。これって実は劣化ですね。ESRは同容量の新品と比べて大きかったです。タンタルは容量変化ありませんでしたが念のため交換。タンタルはショートモードでの故障が怖いが電源部ではない箇所での使用、時定数決定部なので安定度を考慮してタンタルにしました。

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しかし、次の日やはり微小な震えが気になってきた。耳が肥えてきたのかな。ということでこちらの大容量アルミ電解も交換しておきました。1000μFですが手持ちが50V品しかなかったのでちょっと見た目が良くない。。オリジナルは16V耐圧品、回路図上耐圧超えてるのでは?当時、大きさ的に限界だったのだろうか。容量はかなり減っていて600μF程度、ESRも大きかったので完全に寿命ですね。

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最後にメモ

<本個体の健全性(健康)確認方法>

①14.098.92MHz(SSB)でマーカーを受信(アンテナ外した状態で)

②十分に温まった状態でS8を下回らない事(カバーを閉めて正立状態)

③S8を下回った場合は、内部同軸を動かして良化させる。

 内部で縛られている同軸の接触不良改善が必要。以下説明

 

裏カバーを外し赤丸あたりを動かす。⇒その後真ん中の同軸だけを引き上げる様に動かすと改善することが分かった。(場合によっては更に上側中央の束を下へ押す。)

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下カバーを外し上下逆さまに設置して十分に温まった状態でこの状態に。カバーを付けて正立に戻し十分温まった状態(POWERメモリの40W付近)・・・同軸は外した状態もしくは外付けチューナーへ接続し先の無線機切り替え用同軸切り替え器で外した状態のはず。

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カバーを付けて正立に戻し十分温まった状態でS8ちょうど(写真の例は少し調整が甘い)・・・外付けチューナーへ接続し先の無線機切り替え用同軸切り替え器でアンテナと接続した状態のはず。外部ATUは7MHzでチューニング状態。

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参考写真:同軸をパワーメーターに接続した状態かつパワーメータのアンテナ切り替えスイッチでアンテナは外した状態

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電源投入から徐々にSが下がる現象は、CARユニットのQ12が温まると発生し指で触って温度下げると改善する。Q12はかなり発熱します。(他に関係する箇所があるかは現時点不明)