FM/AMチューナー修理 1/2:SONY ST-515

最近FM/AMチューナーの修理をしましたので書き留めておきます。(貼れる画像枚数の関係で記事を2つに分けます)

「電源入りました、音は出ません」という紙が貼られたチューナーを格安で買ってきました。店頭で電源を入れさせてもらったところ、電源スイッチのパイロットランプだけが点灯します。これは電源1次側のAC(交流100V)で点灯しているのでしょう。このパイロットランプ以外はこのチューナーの特徴である周波数デジタル表示はおろか、他のランプも一切点灯しない為、2次側電源生成回路の故障と判断しました。(逆に、うまくすると電源回路だけ直せば全体が正常動作になるのではないかという甘い期待)

ネットから同一型番の回路図付きサービスマニュアル(海外モデル)を入手して調査を開始。電源生成回路直後をテスターで確認しましたが、電圧降下が少々認められるが全く動作しないレベルではないように思います。この時点で修理が簡単には終わらないだろうということを認識しました。

海外モデルサービスマニュアル


回路図上のポイントには部品の定数やモード(FM/AM)ごとの定常電圧が詳しく記載されていたので助かりました。確認していくと、あちこちで電圧降下が激しいことが分かりました。電圧降下箇所を回路を追って調べてみたところ、「抵抗+〜」の様な回路記号の抵抗(?)での電圧降下が大きいことが分かりました。
この部品を一つ外して抵抗値を測定してみると、正常値jから2ケタも抵抗値が大きくなっていることが分かりました。(例えば33Ωのところが2kΩ) 「抵抗+〜」部品を片っ端から測定してみたところ全数不良です。調べてみるとこの部品は「ヒューズ抵抗」であることが分かりました。当時の設計思想でしょうか、いまなら電源トランス付近へ管ヒューズを実装すると思われます。
このヒューズ抵抗、もちろん手持ちはありません。近場で調達できる店はなさそうなので、とりあえず普通の抵抗で代用します。

更に、詳しく調べてみると電源回路部分のトランジスタ一1か所で電圧が異常です。まともに動作しているようには思えません。回路図を見ながらテスタをあてて悩んでいると足が一本取れてしまいました。どうやら、最初から足が途中で折れていて、かろうじて接触していた様です。電源回路部分ではありますがパワートランジスタではなく、パワートランジスタを駆動している電圧を作っているところです。手持ちの低周波用TRで代用しておきました。また、電源回路のトランジスタ用シルク印刷が一か所間違えているところも発見しました。(ECBの順序)



ここまでくると、2次側のランプや照明ランプ、デジタル表示が点灯しました。適当な線をアンテナ端子に接続してみたところ放送が聞こえてきました。FM/AM切り替えても無事に両方受信しているようです。IFTの調整はずれが生じているとは思いますが、使えそうなことが分かり一安心といったところです。デジタル表示どおりに放送が受信できるのは気持ちがいい。


暫く電源を入れて使ってみたところ、いくつかの問題があることが分かりました。
 �@周波数スケールを照らす照明ランプの片方が点灯していない。
 �AFMの周波数が400kHz単位で変化する。(正常ならせめて100kHz単位でしょう)
 �B受信しているバンドを表示するランプ(FM/AM)が点灯しない。
 �C他のチューナーと比較して感度が良くないかもしれない。(Signal強度表示が少ない)

このうち�@�Cはある程度簡単に解決しましたが、�A�Bはかなり悩みました。

�@
自動車で使われているランプをイエロー●ットで購入して、少し加工して取り付けたところ良い感じに修理できました。元々使われているランプも自動車用と同じと思われます。但し、24V用が正解かもしれません。購入したのは12V用です。




写真がこれ以上貼れないので次の記事に続く。