FT-901修理⑥:FT-901トリマパック調整の記録

まとめ:トリマパックの調整は下記にまとめた方法で上手くでき、パワー最大点とDip点は完全に一致。パワーも十分にでるし、PRESELECTORなどの、バンド表示も正確になった。

FT-901修理シリーズであるが、最後にトリマパックの調整についてまとめておく。
サービスマニュアルが一部分かり難い事もあるのでここに記録しておく。


<中和>と<トリマパック>調整

前置き:手持ちの初期ロットFT-901を調整する為に、英語版のサービスマニュアルの記述を参考にする目的で作成するメモ。このため、部品について英語版のサービスマニュアルと手持ちの国内版初期ロットとは一部相違がある。一部翻訳がおかしいところもあり。。


ページ3-30〜

<中和>
Tubeを交換した場合にバイアス電流の再設定と同様に必ず必要。最大出力と長寿命の為。(管を入れ替えてしまった場合も同様)

注意
高圧危険。。。


(1)
ダミーロードを接続して、メーターは「IC」。

(2)
TC01(中和用トリマ)はファイナルボックスの中にある。

(3)
アイドル電流を確認すること。(マニュアルのこのセクションのパート7:BIAS ADJUSTMENT)

(4)
29MHzとして(10B、または10C)、TUNEしてから150mAにあわせる。

(5)
「PLATE」をまわしてIC最小(dip)とする。dipが見つからない場合は、「LOAD」をわずかに減らすとDip点が探せる。PLATEでICが増えたりdipが探せるようになる。

(6)
Dipの増加は突然決まる。
100mA以下を保つ。

(7)
絶縁された調整棒で注意深くTC01を回し、ICを減らす。


(8)
 (6)と(7)を繰り返す。

Note:
シールドカバーをつけた状態で行うこと。


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<TX,RXトリマの調整>


(1)
ダミーロードとパワーメーターを接続すること。

(2)
RF/AFボリュームを時計方向に回しきること。(ただし、AF最大はおかしいのでは)
モードを「FSK」とし、「TC2506」を「1/3」の位置にする。(図1)

(「TC2506」:送受共通の28M用のはず。←OK)

(3)
バンドスイッチを「10D」、ダイヤルで「30.000MHz」、「PRESELECT」ダイヤルは右に回しきる。「LOAD」は「3」、TUNEを押し「PLATE」ダイヤルでDipを取る。

(4)
「CARR」コントロールを「12時」のポジションに。
「VOX GAIN」ダイヤルを「MOX」に、但し10秒以上送信にしないこと。
このとき「T2」と「T3」で「IC」を最大に調整する。
  ↑
  T2、T3ってどこ? ←不明:実施せず。


(5)
マーカーを受信して「T1」でSメーター最大に調整する。
  ↑
 T1はどこ? ←受信用トリマの横に取り付けられているコイルのはずだが変化なかったので元の位置に戻した。←不明

(6)
バンドスイッチを「10A」、、ダイヤルで「28.000MHz」、「PRESELECT」ダイヤルでパワー最大にする。「PLATE」で「IC」を最小に。

モードはFSKで「VOX GAIN」ダイヤルを「MOX」に、「TC2506」で「IC」最大に。


(7)
マーカーを受信して、「TC2406」でSメーター最大に調整する。


(8)
相互作用があるので、(3)〜(7)を繰り返す。

(9)
中和を取る。(手順は中和の項参照)

(10)
相互作用があるので、(3)〜(8)を繰り返す。


(11)
 (10)までで、他のバンドの調整の準備が完了した。(ここから各バンドの調整をする。但し、なぜかサービスマニュアル上は160mの調整を実施しない)

バンドスイッチを「15」、ダイヤルで「21.000MHz」、「PRESELECT」ダイヤルを
スケールの「8.6」にセットする。
TUNEを押し「PLATE」ダイヤルで「IC」Dipを取る。
「VOX GAIN」ダイヤルを「MOX」に、「TC2605」と「TC2505」で「PO」最大に。
                   ↑   ↑
                    2つ使用

マーカーを受信して、「TC2405」でSメーター最大に調整。


(12)
バンドスイッチを「20」、ダイヤルで「14.000MHz」、「PRESELECT」ダイヤルを
スケールの「7.2」にセットする。
TUNEを押し「PLATE」ダイヤルで「IC」Dipを取る。
「VOX GAIN」ダイヤルを「MOX」に、「TC2604」で「PO」最大に。
                   ↑ 
                  1つだけ記載
(ここは「TC2504」と2つで調整して良さそう。実際その様に実施し問題なかった)

マーカーを受信して、「TC2404」でSメーター最大に調整。

(13)
バンドスイッチを「80」、ダイヤルで「4.000MHz」、「PRESELECT」ダイヤルを
スケールの「6」にセットする。
TUNEを押し「PLATE」ダイヤルで「IC」Dipを取る。
「VOX GAIN」ダイヤルを「MOX」に、「L9」と「T2501(注意:「TC2501」ではない)で「PO」最大に。
                  ↑    ↑
                L9はどこ? 2つ ←L9見つからず。T2501のみ実施。

マーカーを受信して、「T2401」(注意:「TC2401」ではない)でSメーター最大に調整。


バンドスイッチこのままで次へ

(14)
ダイヤルで「3.500MHz」、「PRESELECT」ダイヤルをスケールの「2」にセットする。
TUNEを押し「PLATE」ダイヤルで「IC」Dipを取る。
「VOX GAIN」ダイヤルを「MOX」に、「TC2602」と「TC2502」で「PO」最大に。

マーカーを受信して、「TC2402」でSメーター最大に調整。


(15)
相互作用があるので、(13)と(14)を繰り返す。


(16)
バンドスイッチを「40」、ダイヤルで「7.200MHz」、「PRESELECT」ダイヤルを
スケールの「6.5」にセットする。
TUNEを押し「PLATE」ダイヤルで「IC」Dipを取る。
「VOX GAIN」ダイヤルを「MOX」に、「TC2603」と「TC2503」で「PO」最大に。

マーカーを受信して、「TC2403」でSメーター最大に調整。


終了(このようになぜか、160mは実施しないことになっている)


さて、これで最後かと思いきやシリーズ⑦へ続く。